飲酒運転の根っこ

飲酒運転は根っこから絶たなきゃねを読んで感じたこと。

最近、飲酒運転による事故の報道が増えてきたが、これは飲酒運転による事故が増えたわけではなく、報道する側がニュースとして取り上げるようになってきたということだろう。

これはある程度正しい。
警察庁発表の資料によると,平成八年度から比べれば半数程度まで減っている。しかし,ここ2・3年でみると,若干増えている。マスコミに対して好意的に考えれば,事故が増え始めたので早めに報道して抑制しようと考えたのかもしれない。下はその資料のグラフ。

さて,さきほど記事にはこうある。

飲酒運転がなぜなくならないのかということ以上に、交通事故による殺人に関して飲酒運転に限らず懲罰が軽すぎるという問題はあるものの、それ以上になぜクルマで飲みに出かけるのかということを考えてみる必要があるのではないだろうか。
都心に住んでいると分からないが、とにかく地方は公共交通機関の整備がほとんど行われていない。そのため、郊外店を含めクルマでなければ飲食店へ出かけられないという事情がある。
だから飲酒運転は仕方ないというつもりは無い。
飲食店側も、クルマでしか来店してもらえない事情を分かっているのだから、アルコール1%未満のビールテイスト飲料や日本酒風飲料、ワイン風飲料などを用意して、クルマでの来店者には酒を出さないとか、飯田市のシルクホテルのように近隣の町村から飯田市へのみに来た人向けの低価格な宿泊プランの用意とか、そういうことに力を入れる必要があるのではないだろうか。

  • 懲罰が軽すぎる

に関しては,CODE的に飲酒運転問題を考えたにあるように,

道交法を改正して飲酒運転に厳しくあたるという施策はそれなりに効果を生んでいる

ようである。よって,懲罰はそれなりに重くなったが,まだもう少し,というところなのだろう。

次に田舎の交通事情と飲食店。
これをいう以上,「田舎は都会よりも飲酒運転が多い」という数字も必要だと思うのだが,警視庁のサイトをみても,統計を取った様子がない。Google先生などで検索しても断片的な情報しか見つからない。
これはどうも憶測レベルでの問題提起っぽいので,あまり考えるのは止めておこう。

で,ちょっと気になったのが次のくだり。

取締りの強化や罰則の強化も必要だろうが、なぜ飲んでもクルマを運転してしまうのかという根本的な要因をつぶす工夫が、飲酒運転撲滅には必要なのではないだろうか。

私は,この「なぜ飲んでもにクルマを運転してしまうのか」という根本的な要因は,単純に車の構造に欠陥があるからと思っている。それをつぶすには,当然のことだけど,

また、日産自動車が飲酒した後ではエンジンがかからないようにする技術を開発すると発表したという。

こういう対応が出てくる。実はこれは既にアメリカの一部の州で活用されていて(日産製ではない),一度飲酒運転を犯した者には,エンジンをかける前に息を吹き付け,さらに走行中でも一定の時間おきに飲酒チェックをしなければエンジンが止まるという厳しいシステムの導入を義務づけている。


最後にこの記事には

クルマの運転者が飲まないことはもちろん、とにかくクルマの運転者には飲ませないという強い意志が酒席に誘った人たちにも求められるのではないだろうか。

とある。でも酒を人間の意志でなんとかコントロールしようなどという恐ろしいことは考えないほうがいい。
あらゆる車に飲酒量チェックの装置を取り付けるほうが「飲酒運転の根っこ」をつぶすことにつながるはずだ(もちろんそこまで徹底してもしょうがないけど)。